2023-01-01から1年間の記事一覧

イタリアの新刊 12月その二

恒例の、妹とふたりでの二日がかりのおせち作りはなんとか終わった。最盛期の三分の二ほどの品数におさえたので一日目は早めに切り上げてのんびり。二日目の今日、煮物類に思った以上に時間をとり、お重につめたら、もう夜の七時近くだった。伊達巻きが生っ…

イタリアの新刊 12月その一

加藤典洋さんの『テクストから遠く離れて』を読みはじめ、この方文芸評論家という肩書きなのに、小説家の小説の読み方をする人だ! と興奮しながら第I章を読み終えて、第II章で村上春樹の『海辺のカフカ』を論じるところに至り、『海辺のカフカ』を読んだこ…

『ふたりの世界の重なるところ』今朝の「朝日新聞」一面に広告が掲載されました

11月に月曜社から刊行されました『ふたりの世界の重なるところ』、本日の朝日新聞の朝刊一面に広告を掲載していただきました。あの広告欄をサンヤツと呼ぶということを学びました。 朝ごはんを食べながら眺めるのを楽しみにしている(今わたしがとっているの…

十二月の蚊

なにかの比喩ではなく、蚊がいる。十二月の夜に、である。 寝床につくと、プーンという懐かしい音がして、ガバッと起きて目の焦点を調整する。すると姿を捉えることができた。全盛期に比べると、動きのもっさりとしたやつである。こちらもあのころに比べても…

イタリアの新刊 11月その二

長い夏のせいなのか、年のせいなのか、調子の悪い11月だった。病院に行っても原因わからず。でも後半、養命酒を飲みはじめて元気を取り戻す。座り方にも不調の原因がありそうと、仕事中の姿勢にも気をつけるようになった。家にいるあいだはできるだけ寝転が…

イタリアの新刊 11月その一

11月の前半に気になったイタリアの新刊本たち(11月より前に刊行されたものも含む)。 こうやって海外の出版情報を調べていると、あれも邦訳されればいいなぁ、これも日本語で読めるようになればいいのになぁと思うわけで、そういうふうに思う人がほかにもい…

イタリア語で読むロシア

今年6月、ロシア人ジャーナリストのエッセイにかんする次のツイートを目にした。 ロシアのジャーナリスト、エレーナ・コスチュシェンコの作品『わたしの愛する国』。ロシアでは出版できず、現在イタリア語のみの出版。露語の一部が公開され、とても良いので…

イタリアの新刊 10月その二

11月に入ってしまった……。しかし10月中に気になったイタリアの新刊本たちその二。 カルミネ・アバーテ著『幸せな村(Un paese felice)』Mondadori, 2023/10/3 マッテオ・コッルーラ著『Luigi Pirandello-Leonardo Sciascia(ルイジ・ピランデッローレオナルド…

イタリアの新刊 10月その一

10月に気になったイタリアの新刊その一(刊行が10月でないものも含む)。 イタリアの出版社の夏休みが完全に終わったようで、気になる本がたくさんだった。そのため、今頃になってやっと「その一」。 アントニオ・タリア著『スパイの季節(La stagione delle …

Radio 3, Ad alta voce 夏目漱石の『草枕』の朗読が始まった

10月23日(月)から、Radio 3のAd alta voceで、夏目漱石の『草枕』のイタリア語訳の朗読が始まった。イタリア語のタイトルはGuanciale d'erba。まんま。朗読は、Marco Foschiさん。使われているのはNeri pozzaから出ているものということなので、Lydia Orig…

Radio 3, L'isola deserta に社会学者のフランチェスカ・コインさん出演

Radio 3の番組、L'isola deserta(無人島)の9月30日の放送回に、社会学者のFrancesca Coinさんが登場した。意外にも、この番組に社会学者が登場するのは初めてとのこと。言われてみれば、イタリアの社会学者、Coinさん以外知らない。 Coinさんは今年の8月に…

キンモクセイ対決 今年の結果

甘く、とつぜん匂うのがキンモクセイである。 花の姿を見て、そろそろかな、と待ちかねる間はなく、とつぜん強いにおいがやってくる。それから花の存在に気づく。ジンチョウゲとは違う。こちらはピンク色のつぼみが膨らんでいく姿を見せて、香りへの期待を高…

カルヴィーノ生誕100年記念 ローマで国際会議

今年はイタロ・カルヴィーノ生誕百周年で、関連書が刊行されたり、イベントが開催されたりといろいろあったが、その締めくくりとして、10月19日から21日にかけてローマで国際会議 "Calvino guarda il mondo. Pluralità, coesione, metamorfosi(カルヴィーノ…

レシピの懐

このごろ、家にあるdancyuのバックナンバーを読むのにはまっている。 家には全号がそろっているわけではなく、毎号買っていた時期もあれば、まったくない年もあり、夏に組まれるカレーの特集についてはほぼ毎年買っていたりと、歯抜けながらそこそこのボリュ…

休日の八百屋で

今日は仕事が休みの日で、昼前にお気に入りの八百屋さんに行ってきた。お気に入りの八百屋さんは、家から自転車で十分ほどのところにあって、おしゃれでもなんでもない一見ふつうの八百屋さん。でもたとえば、茄子が大沢さんのと小野さんのと二種類あったり…

イタリアの新刊 2023年9月その二

9月下旬に気になったイタリアの新刊本たち(刊行が9月ではないものも含む)。 ベルナルド・ザンノーニ著『25(25)』Sellerio, 2023/8/29 フランチェスコ・パチフィコ著『トップ(il capo)』Mondadori, 2023/9/5 ルーカ・ジェルヴァージ著『きみといっし…

Radio 3, L'isola deserta に日本文学の翻訳家ルイザ・ビエナーティさん出演

Radio 3のお気に入りの番組、L'isola deserta(無人島)の九月一六日の放送を聞いたら、ヴェネツィア大学の日本語・日本文学の教授であり、翻訳家でもあるLuisa Bienatiさんが登場していた。 かねてより、日本におけるイタリア文学の翻訳に比べて、イタリア…

エルド吉水『龍子』(リイド社, 2023/9/14)

九月一四日、エルド吉水さんのRYUKOの日本語版が刊行された。 つねひごろあらゆる情報に疎いたちなのだが、めずらしくこマンガ・この著者の存在については一年以上前に知ったのだった。昨年四月、イタリアで行われた日本のマンガフェアの関連サイトにEldo Yo…

イタリアの新刊(2023年8月~9月上旬)

2020年からTwitterで、気になるイタリアの新刊情報をツイートしてきたけれど、あそこがなんだか使いづらいものになってしまったので、引っ越しを検討。そしてここに移ってみた。今思えば140字におさめるために、いらぬ苦労していたかも・・・。引っ越し先を…